【DX Front Line】情報システム課の取り組む”dX”
今回のDX Front Lineは、dXのd“デジタル”な部分のリアルをお伝えします。
トップ画像は、国と全国の地方自治体による行政デジタル改革について考えるイベントで撮影した、自治体DXに取り組む全国の自治体職員との集合写真です。
この写真で見られる「X」のポーズこそ、私たち情報システム課が大切にしている想いです。
情報システム課(システム屋)の取り組むdXとは
市役所でデジタルな部分、例えばシステム・サーバー・パソコン・ネットワークといったものを一手に引き受けているのは、情報システム課です。
令和5年4月にデジタル部と一緒に発足しました。課員は課長を含め4人、市役所の中で最も小さな課ですが、小回りの効く機動力を活かして庁内のデジタル基盤を支えています。
その仕事の内容からして、市民の皆さんとの接点がほとんどなく、あまり仕事の内容も知られていません。縁の下の力持ち的なポジションだと思っています。
さて、今回の記事で、デジタルの“D”を“d”と記載したことに気づかれたでしょうか。これは、私たちの心構えを表しています。
DXを実施するにあたり重要なのは、DよりもX(トランスフォーメーション。変容という意味)です。「おくやみコーナーを開設」の記事に取り上げられていますが、当市のDXはまずアナログな作業の見直しから着手します。
現状を把握し、ありたい姿を実現するために現場の職員自らが考え、知恵を絞ります。その上で、必要となればデジタルを用いたツールやシステムの構築・選定に入っていく、という流れです。
これは、ただシステムを買うだけに比べて時間も手間もかかります。しかし、こうして作られた仕組みは実際の運用に耐え、さらに職員の手によって磨かれていくので、かけたコストの何倍もの利益をもたらすのです。
これからのdXに必要な取り組み
情報システム課では、dXへの取り組みを応援(伴走)しています。
実は以前はシステムそのものを扱う事に注力していました。
担当課から出されたシステム導入の要望を、当市の環境で運用できるか調整したり、情報システム部門の職員が仕入れてきた情報を担当課に伝えたりするのみで、お互いの領域にあまり深入りしてこなかったというのが現実です。
全庁一丸となって「日本一市民目線の窓口」を目指すためにはどうしたら良いかを考えたときに、デジタル庁の取り組みやトヨタ自動車株式会社未来創生センターの皆さんとの交流事業から、現場とシステムが検討段階から一緒に取り組み、共に創り上げていく「共創」というプロセスがとても大事だということが分かりました。
少ない人数ですので、同じデジタル部の業務改革課のメンバーにも協力してもらい、時には熱い議論を交わしながらdXの取り組みを進めています。特に今年度は窓口改革に注力していて、デジタル庁の窓口BPRアドバイザー(※)研修生に申し込み、当市の改革と共に他市町の事例も肌で感じ、勉強させてもらっています。
情報システム課の職員が窓口改革なんて、これまではほとんど関わらなかった事です。
取り組んだdXの事例紹介
ここで、実現したdXの取り組みの一部を紹介します。
情報システム課では、令和4年度から庁舎内にモバイルパソコンの展開を行っています。
それまでは、デスクに固定で持ち運べなかったパソコンですが、ネットワークを無線化し、もちろんセキュリティ等も強化したうえで会議室等に持ち込んで利用できるようにしました。
その結果、この1年で会議の光景が劇的に変化しています。
それまでは会議資料を作ったり、印刷したり、差し替えたりといった作業がどうしても必要でしたが、こういった手間やコストもなくなりました。
市長以下、議員も含めてモバイル化を実現しましたので、通常業務から議会対応まで完全ペーパーレスでの作業環境を実現しています。
併せて、Microsoft365の機能を使えるような仕組みを導入しました。
これにより、ファイルの同時編集やオンライン会議、Teamsを用いた組織的なコミュニケーションの実現ができています。
さらなるコミュニケーション改革の1つとして、会議や講演会のオンライン配信も自前で実施しています。職員はデスクの端末から視聴できるので、移動時間やコストの削減ができています。
令和6年に入ってからは、セキュリティを担保した上でインターネットの閲覧も可能となる機能拡充を実施し、庁舎内外との情報交換・情報収集が飛躍的に行いやすくなりました。
これらの取り組みは、民間企業では既に当たり前の事だと思いますが、市民の皆さんの大事な情報を扱うという責務があるため、クリアすべき課題が多くなかなか実現できなかったという事をお汲み取り頂ければと思います。
攻めのdXを進めたい
ここまでの取り組みは、直接結果の出るようなdXとは少し違い、どちらかといえばdXを加速するための地盤づくりです。
普段はあくまで縁の下の力持ちでありながら、時には共に、時には先陣を切ってdXを進めていく、そんな変幻自在で攻めた情報システム課でありたいです。
あくまで内部向けの話ではありますが、このようにdXを進めた結果、生み出されたリソースは必ず市民のみなさんのお役に立てるはずです。
お会いすることはあまりないかもしれませんが、今後も裾野市の情報システム課にご期待ください。
この記事を書いた人
■勝又優斗
システム管理部門から市民課、税務課と経験した後、システム部門に返ってきました。日々、職場のメンバーからの程よいプレッシャーでムキムキに鍛えられています。
これから中堅となるので、次年度は主体的に全力でプロジェクトを回していきます!
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