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【広報すその編集後記】2024年4月号

広報すその編集後記とは?
毎月発行している広報すそのの特集記事を中心に、紙面の都合で掲載し切れなかった内容や、編集への想いなど、こぼれ話を書き綴っていきます。


表紙の写真

 春の訪れ

表紙の写真は春!桜!という写真で、全体の色も桃色で、春を感じます。

カメラマンは広報特派員の原久子さんです。原さんは富士山や地域の風景などを主に撮影しています。特派員としてFacebookや広報紙などで活躍していますので、ぜひ注目してください。

特集・令和6年度当初予算概要

市長戦略に基づく予算編成 戦略から実動へ


 広報紙のこぼれ話で当初の予算を話題にするとはありませんでしたので、当初予算について総務部長に、予算に伴う市長戦略について市長戦略部長にお話を伺いました。


ーー令和6年度当初予算について総務部の勝又部長に伺います。まず初めに部長の自己紹介をお願いします。

現在総務部長として2年目になります。市役所勤務33年のうち2/3が事業畑で道路、橋梁、温泉、イベント関係の業務を担当していました。残りの1/3は税務や財政でほぼお金に関する仕事をしていました。趣味はオートバイや車が好きです。 週末は妻と都内にいる子どもたちに会いに行くのが楽しみです。つい先週も会いに行ってきました。今日はよろしくお願いします。

ーー市議会2月定例会で令和6年度当初予算が可決されました。 一言でいうとこの予算はどのような視点でつくられましたか?

市長の掲げる「戦略から実動へ」を具現化する予算編成といたしました。

ーー今までとの違いなどがあれば教えてください。 

特に財政非常事態宣言発出後は、単年度の数値の改善に捕らわれていたため、行うべき将来投資への予算配分が計画止まりの状況でした。学校再編事業である東小学校と向田小学校の学校再編事業がいよいよ始まるため、校舎改修工事の予算を計上しています。また、例年に無く、裾野駅西土地区画整理事業にも予算を割いています。 


勝又総務部長

ーー令和6年度の歳入・歳出、それぞれの特色は? 

今年度は総務省から「自治体フロントヤード改革」の実施団体に裾野市が選ばれました。これは国庫補助金1億円を活用して自治体の窓口改革を行うものです。昨今、デジタル化が叫ばれている中で市民との最も身近な接点でもある窓口の改革を今年度中に実施して、お越しいただいた皆さんの利便性を高めていくものです。なかなか、市役所業務の変化を市民の皆さんに感じてもらえることはありませんが、この事業は、目に見えて変化を感じてもらえると思います。 

増加している民生費については、乳幼児から高齢者と幅広い世代に対する予算を計上しています。この予算は昨今の報道でもあるようにどの自治体でも伸びているのが現状ではないでしょうか。教育費は小中学校や幼稚園、文化センターや運動公園を運営していくための予算を計上しています。令和6年度の学校再編事業である東小学校と向田小学校の再編に伴う工事もここに含まれます。 

ーー前年度比8.8%の増加、主な要因は? 

大きく増加している項目は「フロントヤード改革」の増による総務費、「企業立地補助金」の増による商工費、「裾野駅西土地区画整理事業」の増による土木費、「学校再編事業」の増による教育費が挙げられます。この内、企業立地補助金は新たに進出していただいた企業に対し補助金を交付するもので、当市の進める立地企業の増加に伴うものです。また、学校再編事業や幼保再編事業は数年をかけて実施するので、今後も工事費の確保をしなければなりません。

ーー財政非常事態宣言下での予算編成の難しさはどんなところですか? 

 宣言下でなくても言えることですが、歳出予算は行政運営の中である程度調整が可能ですが、歳入は世の中の経済状況に左右されるため、完全に予測がしきれないという点です。少し専門的になりますが、常に財政力が低い団体は、国が交付税などによりサポートをしてくれる制度があります。当市は全国的には財政力は決して悪いものではありませんので、税収に左右されやすいところが特徴ではないかと思います。 完全に予測しきれないという点が難しいですね。

 財政非常事態宣言は令和3年2月に出しました。当時は新型コロナウイルス感染症が蔓延し、経済活動の停滞による法人市民税の減収等、社会不安が増長したという時代背景がありました。そんな中でこのままの行政運営では自治体の貯金にあたる財政調整基金が枯渇してしまうという危機感から財政非常事態宣言を発出した経緯があります。 

 幸いにも当時想定した財政調整基金の減少は抑えられています。令和4年度決算においても平成21年度以来の黒字決算(実質単年度収支の黒字)となり財政の視点からも明るい話題だと考えています。しかし、令和5年度決算は再び赤字決算となる見込みですのでまだまだ市の財政が好転したとは言い難い状況です。 

 世の中全体で言えることですが、人口減少の歯止めがききません。現在、当市では、私が子どもの時よりも多くの学校が存在しています。一方、通学する子どもたちは当時より格段に減少しています。学校再編事業や幼保再編事業等々、今後も予算を確保していかなければならない事業がたくさんあります。予算編成においては事業を計画した段階で想定した効果を得られていない事業を止め、その予算を別の事業に使っていくという「ビルド&スクラップ」の考えにより、一部事業を休止したもの(新エネルギー設備設置補助金や高齢者免許変更支援事業)もあります。事業の中止は中々難しい側面もありますが、これからも事業効果を検証し、より良い事業展開を行えるよう予算編成を行っていきます。 

ーー部長自身が予算編成や予算管理の中で心掛けていることはありますか?今後の展望があれば教えてください。 

 やはり、市役所の中で働く職員が使う予算に対しては厳しく査定をしています。市民の皆さんへの影響を考えると、1円でも経費を削減することは当たり前のことです。また、事業畑が長かったため、ゴールは同じでも、予算のかけ方は人それぞれなので、担当課と衝突することが多々あります(笑)。予算査定が完了した後も、執行段階では、「自分の財布からお金を出す時と同じ気持ちで行って下さい」と呼び掛けています。また裾野市役所はデジタル化も進んでいて、今までの仕事の仕方とはかなり変化してきています。デジタル化に伴う経費を徐々に回収して行く必要がありますね。 

ーー最後にこれからの意気込みを 

 基本はまちづくり、特にハード整備に市役所生活の大半を費やしてきました。私が事業畑を経験した時代は、まだまだ財政は豊な時代でした。今は同じ仕事の仕方では、うちのまちは持ちません。だからこそ、職員の発想が必要です。総務部長となり、人、モノ、カネ(予算)を預かる立場です。変化を恐れるようなタイプではないと自負していますので、昔のように「裾野市って良いね」と再び言ってもらえるように、過去に捕らわれず、チャンスを見逃さないような、“誇れるまち”に出来たらと思います。 

令和6年度の予算の特徴についてわかりやすくお話しくださいました。予算を執行するときには「自分のお財布からお金を払うような気持で」というフレーズが心に残っています。市民の皆さん、市内企業などから納められた税金で予算を執行するわけですから、市職員としては基本の基ですね!財政非常事態宣言下での予算編成の難しさを知ることができました。

自己紹介の時にご家族の話をするときの少し緊張のほぐれた部長の笑顔が印象的でした。


 概ね3~4年で異動してきました。その中でも都市計画に関する部署には、通算で8年在籍させていただきました。自称、都市計畑です(笑)。 

地域では育成会でお祭りの出店をボランティアの子どもたちと楽しく運営させていただいております。 先日の富岡桜まつりでは、好天に恵まれ小学生以下対象の駄菓子屋を出店しました。大変賑わっていましたよ。

 令和6年度の事業は「戦略から実動へ」とされています。その意義について、また当初予算の中で事業の優先度はどのように決まるのか教えてください。

 市長戦略に基づく事業を優先的に考えます。とはいえ、市長戦略に掲げるすべての事業をスタートすることは財政的にも困難です。 そのため、優先度をつけて事業を進めていくことが必要と考えています。 もちろん、市長戦略に掲げる事業だけですべてを考えているわけではありません。 福祉、医療といった市民生活に直結する事業についても事業の目的妥当性や有効性等について検証し、優先度を決めています。 

 市長からは、計画に掲げることは大事だが令和6年度は実動へ段階をあげるよう指示をいただいています。 

 戦略推進課(実施計画事業)、公共施設経営課(公共施設関連事業)、そして財政課(予算査定)の3課で調整を行い、事業優先度をしっかり見極めています。 

ーートピックス的なものでもいいので、項目ごとに要点を教えてください、。 

「人口と立地企業数の増加」については、道の駅の整備です。令和6年度では、基本構想を策定しこれを踏まえて基本計画策定に入ります。 

「市民の抱える不安の解消」については、公園の不足の解消。少しずつでもよいので目に見える形で、事業の進展を図りたい。と思っています。

「市民満足度の更なる向上」については、企業版ふるさと納税の税収増加を図ります。 

 人と企業に選ばれるまちを目指し、そのために必要となる日本一市民目線の市役所の実現のため私自身を含め、職員が一丸となって事業展開をしてまいります。 

ーー市長戦略についてどのあたりが課題と考えていますか? 

 これまでも市長戦略の広報には努めてまいりましたが、市民の皆さんへの浸透という意味では不足しているものと感じています。市役所が今、どこへ向かって進んでいるのかをタイムリーに提供できるようにしていきたいと考えています。 

鈴木市長戦略部長

ーー将来の裾野市について、市長戦略を通じて部長の考えを教えてください 

裾野市は可能性、将来性が高いまちだと思っています。 

市民の皆さんのお力をいただきながら、子どもから大人まで安全で安心して暮らせるまちづくりを進めていきたいです。明るい未来に向けて、頑張ります。 

ーーミッションである「人と企業に選ばれるまち」について、目標年次の中間地点になる現時点の評価は、何点くらいでしょうか? 

 4月1日現在、人口は49,000人を切っております。令和4年度以降、2社の企業に進出をいただきました。このようなことから、令和5年度末で自己評価は60点とします。まだまだ道半ばですね。 まだまだいろんな意味でまちの未来には将来性がある、余地があると思っています。人と企業に選ばれるまちを目指す中で企業誘致を掲げていますが、本当に渉外課にはいろんな企業や金融機関などが来庁されます。もちろん職員が頑張っているからなんですが、まちのポテンシャルはあるわけです。企業誘致の実績も出ていますので60点、まだ伸びしろもありますのでね。

ーー最後に意気込みを! 

戦略から実動への言葉が示すように、動かなければいけない年だと思っています。机に座ってるだけじゃなくて動かなければならない年。 

市長戦略部職員一同、とにかくがむしゃらに頑張ります(笑)。

もちろん職員だけでは実現できないので、市民の皆さんのお力を借りながら、明るい未来に向かって動きますよ。

鈴木部長から心強い意気込みが聞けました。インタビュー中の話も書ききれないほどの話だったので要約を掲載しました。部下からも特別職からも信頼の厚さを感じる人柄です。


もっと伝えたい!記事

■すそのびと

第38回国民文化祭連句の祭典 ジュニア部門で文部科学大臣賞を受賞

石川侑空さん、髙橋隆聖さん、小柴勇登さん
大森真帆さん、相坂紬生さん

東中学校の3年生(現在は卒業し高校1年生です)が第38回国民文化祭「連句の祭典ジュニア部門」で最高賞の文部科学大臣賞を受賞したことを取材しました。なんといってもこの連句、素敵なワードが満載です。中学生らしい言葉も残しつつ、読み終わるとなんともほんわかした気持ちになりました。私自身は連句のことをよくわかっていないのですが、そんな私にも伝わる言葉の力連句の持つ言葉のリズム、詠み人のチームワークなどに感動しました。

「人気者」って……寒い中家族の人気者はストーブだったんですよね。冬の子どもたちの人気者と言えばサンタさん!サンタさんがプレゼントしてくれたのはTWICEのコンサートチケット?人気者ですもんね、TWICE。(ここからがさらに素敵・・・)人気者に恋する乙女は心揺さぶられちゃうんですよね、きっと。でもデートできたのかな、花も舞う中での二人の秘密・・・なーんて想像を膨らませてしまうわたし。

裾野市には連歌氏宗祇のご縁から連句の文化があります。中学生が地域に根差す文化の中で素敵な賞を受賞されました、本当におめでとうございました。

■職員募集

可能性は無限大。裾野市職員として働きたい、挑戦したい人を募集します。


■子ども家庭センターを設置

全ての妊産婦、子育て家庭に切れ目のない支援体制を整備しました。

妊娠から出産、子育て期の全ての家庭を切れ目なく支援していきます。不安や困りごと、子どもの発達などに関することや、保護者自身の心配事などに専門職員が寄り添い、伴走します。ひとりで悩まず!まずは一度足を運んでみてください。
場所は福祉保健会館2階です。親子の交流スペースもありますよ!

子ども家庭センターの相談員が子ども全般の相談に対応します。
福祉保健会館2階に相談室がありますよ
母子保健の相談は保健師へ
保健のプロが対応します!

これからも伝える、伝わる広報を目指して、裾野のファンを増やしたいです。


この記事を書いた人

■眞田さおり
情報発信課で広報を担当しています。裾野の魅力を心を込めて伝えます。裾野のファンを増やしたい!

■今野功一
情報発信課で広報を担当しています。
裾野市の歴史を残す1枚を撮るために、シャッターを切りまくります。


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