【市長戦略最前線】裾野市にも道の駅ができるんですか!?
旅先でふと立ち寄りたくなる道の駅。
休憩に寄ったついでにのぞいたお店に並ぶ地場のものを手に取る楽しみは、道の駅ならではです。
今回の市長戦略最前線のテーマは道の駅です。
裾野市にも道の駅ができるんですか!?
全国の道の駅の状況
全国にある道の駅は1213カ所です(令和6年2月現在)。
静岡県で人気の道の駅ランキングは、1位が道の駅 朝霧高原、2位が道の駅 開国下田みなととなっています(RECOTRIP調べ)。
裾野市近隣の道の駅では、伊豆月ヶ瀬(3位)、伊豆ゲートウェイ函南(4位)、ふじおやま(11位)と続きます。
日本で一番大きな道の駅は、北関東自動車道壬生パーキングエリアに隣接する道の駅みぶです。
みぶハイウェーパークをはじめ、とちぎわんぱく公園や壬生町おもちゃ博物館、壬生町総合公園などで構成され、約53haの広さは裾野市の運動公園の約8倍弱の面積にもなります。
小学校の廃校を利用した道の駅で給食が楽しめる道の駅 保田小学校(鋸南町)、魔女の宅急便のキキに変身できる道の駅小豆島オリーブ公園(小豆島町)など、全国には特色あふれた道の駅が多くの人をひきつけています。
裾野市と道の駅
裾野市の経営戦略である市長戦略の「人口と立地企業数の増加」関係人口増加に向けた地域の魅力向上に、道の駅は位置づけられています。
裾野市の道の駅整備がどのように行われるのか、事業を担当している戦略推進課の土屋戦略統括監と根上主幹に話を聞きました。
――道の駅は全国にありますが定義はありますか。
【土屋】
道の駅は休憩機能、情報提供機能、地域連携機能3つの機能を備えた施設のことです。市町村が設置し、国土交通省の登録が必要になります。
最近では3つの機能のほか付加価値として防災機能を備えるケースが多いですね。
――裾野市の近隣には川の駅や村の駅があるのですが、道の駅とは違うのですか
【土屋】
道の駅と似ている〇〇の駅というのは、道の駅としての要件を備えていないので国土交通省への登録をしていないものになります。
漁港の駅(漁港の駅 TOTOCO小田原)、村の駅(食のテーマパーク 伊豆・村の駅)、旅の駅(旅の駅kawaguchiko base)など、全国にはさまざまな〇〇の駅があります。これらは官民連携で整備をする道の駅と違って、民間が整備するドライブイン的な施設になります。
ーーどの道の駅もにぎわっているイメージがあります。道の駅の魅力とは何だと感じますか
【根上】
買い物をするだけならショッピングモールで良いですが、地域コミュニティの活性化のツールになる点が道の駅の魅力だと思います。地域の特色が出せ交流人口の増加につながります。
道の駅のスタンプラリーでいろいろな道の駅を回る楽しみを作ったりもできますよね。ただ、全国に道の駅の数が多いので、他の道の駅との差別化や持続できる施設を考える点は悩みどころです。
――能登半島地震で災害に対する関心が高まっています。災害時に道の駅はどのような役割を果たしますか
【土屋】
24時間利用できる駐車場とトイレがある道の駅は、東日本大震災のときに防災拠点になるという視点から注目されました。
裾野市では、地震だけでなく富士山噴火を加味したものも必要かと思っています。
――道の駅の整備スケジュールを教えてください
【土屋】
早い段階で整備をしていきたいと考えていますが、整備には基本構想、基本計画、実施計画、工事のステップがあって最短でも5~6年はかかります。
令和5年度に基本構想に着手し、令和6年度の今はパブリックコメントを行なっているところです。
――裾野市の道の駅はどういう場所にできるのですか
【土屋】
国土利用計画や都市計画マスタープランなど、整備の上位計画で位置づけされているものを加味して案を策定しています。また、道路利用者が安心して使える場や地域交流などのネットワークが盛んな場所というのも加味しています。
東名高速道路のインターチェンジからの距離や防災の観点から市の施設との位置関係、観光ネットワークなど地域交流拠点の要素もあります。
候補地としては、国道246号沿い3カ所と国道469号沿い1カ所を選定しています。
基本構想は、「裾野市としてはこんなことをやりたい」という想いをまとめたものです。
市民の皆さんがどんな道の駅にしてほしいのかというのが一番大事だと思います。
令和6~7年度に策定する基本計画では、ワークショップなどで市民の声を聞いていきます。
――裾野市の道の駅の特徴は何ですか
【土屋】
やはり富士山。
四季折々の富士山の景観が楽しめることが裾野市の強みです。
素晴らしい富士山の景観がある裾野に立ち寄って、くつろいでもらうことで、”通過する街“からの転換を目指していきます。
裾野に集まってきたヒト・モノ・コトが道の駅でつながっていくイメージです。観光、休憩、情報、産業、人の交流などさまざまなものが交差していく道の駅ですね。
【根上】
私は人や情報だけでなく犬も集まれる場所がいいです。
ドッグランは絶対ほしい(笑)
市長インタビュー
ーー道の駅の整備に取り組もうと思った理由を教えてください。
裾野の特産品などをアピールする場が、今までなかった。それから、トラックの運転手や色々なドライバーの皆さんが休憩する場所というのが、道の駅ふじおやまより南にはないと言われています。
ドライバーにとって、休憩する場は絶対に必要なものです。
実はトラックの運転手さんたちは、土日になると家族を連れて今度は旅行をします。裾野が良い場所であれば、その方々は家族を連れてお客さんとして来てくれる。
そういった点でも、道の駅は交流人口の増加や観光やにぎわいの創出について非常に有効な手段であると思っています。
道の駅の整備箇所として市内で4カ所の調査をしているのですが、どこの道路も交通量から見て全国でも有数の道路であると言えます。
道の駅整備は裾野市が主導してやっていくのですが、営業利益を上げてまちにその利益が還元され、さらにまちを良く思ってもらうためにやることであって、交通量の少ないところで名物もなく、赤字を市が補填するような施設では絶対にあってはならないと思います。
全国の人が通る幹線道路沿いで交通量が多く、そして富士山が一番きれいに見えるところに整備をして行きたいと思っています。
ーー観光や特産品などの情報を発信する場にするという効果を狙っているのですね?
情報発信ももちろんですが、地元の人たちにとって道の駅はいろんな使い方があると思います。
地元の人たちも買い物に行きたくなるような道の駅。
そして今盛んに叫ばれているのが、防災機能を兼ね備えた道の駅です。
道の駅は休憩、地元の人が物を買う、防災、情報の発信基地の四要素と言われています。
能登半島地震のような大規模な震災が起こると、道の駅は避難した人が集う受援施設になる要素も備えているので、防災の面からもこういう施設はしっかりと整備をしていきたいなと思っています。
ーー裾野の道の駅のイメージを教えてください。
富士山が一番きれいに見えて、地元の人からも喜ばれ、そして外からから来る人たちにも、「富士山も箱根も裾野からすぐ」と思ってもらえるような道の駅を目指したいです。
訪れるも良し、そして住んでも良しと思ってもらえるようなまちづくりを、この道の駅を通してしっかりやっていきたいなと思っています。
ーーありがとうございました。
道の駅整備始まる
裾野市は道の駅建設に向けスタートを切りました。
調整すべき事項は多岐に渡り、多額の建設費も必要になる大きなプロジェクトです。
裾野市の強みである富士山を生かしながら、観光だけでなく防災の機能も取り入れ、いかにして「作って良かった」と思ってもらえる道の駅にしていくのか。
今後も関わる職員の声をお届けしていきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
道の駅基本構想(案)への意見を募集
2024年6月7日(金)まで
道の駅基本構想とは、道の駅を整備する際のコンセプトや導入機能、整備手法、管理運営手法などの基本的な方針をまとめたものです。
策定に先立ち、裾野市パブリックコメント実施要綱に基づき、基本構想(案)を公表し、広く皆さんの意見を募集します。
http://www.city.susono.shizuoka.jp/shisei/3/2/bosyuutyuu/19205.html
この記事を書いた人
■眞田さおり(写真)
情報発信課で広報を担当しています。裾野の魅力を心を込めて伝えます。裾野のファンを増やしたい!
■今野功一(インタビュー)
情報発信課で広報を担当しています。裾野市の歴史を残す1枚を撮るために、シャッターを切りまくります。