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【広報すその編集後記】2024年2月号

広報すその編集後記とは?
毎月発行している広報すそのの特集記事を中心に、紙面の都合で掲載し切れなかった内容や、編集への想いなど、こぼれ話を書き綴っていきます。

表紙の写真

表紙の写真は広報特派員の中村さんが撮影した笑顔あふれるはたちの会の一コマです。中村さんは広報特派員として6年目昨年も2月号の表紙の写真を撮影してくださいました。着物姿の華やかな表紙となりました。

はたちの皆さん、おめでとうございます!

特集・市議会12月定例会

今回は広報すその2月号のこぼれ話の一つで、市議会12月定例会の特集を少し掘り下げてみたいと思います。

議会の内容は、議案や補正予算を要約して掲載していますが、

「もう少し詳しく知ってもらう必要があるのではないか」

という想いと、今回は議案の中で継続審査となった議案があり、

これは何で?
どういうことなの?
広報紙を読んでくださる人に伝わるのかな・・・・・・

という素朴な疑問からnoteで伝えてみたいと思います。

まずは、「“議会のしくみ”を知る必要があるのでは」と思い、議案などの取りまとめをしている総務課の原課長に話を聞きました。

総務課 原課長

ーー市の執行機関と議会の関係ってどういうものかわかりやすく教えてください

市というと、市役所というイメージがあると思います。
この市役所のトップは、市長です。
市長と議会、これがどんな関係なのか、お話します。

市役所では、市民の皆さんが地域で暮らしていくために必要な、いろいろな仕事をしています。
たとえば、福祉や保健をはじめ、子育て、学校教育、医療、公園や道路の整備、ごみの収集など、たくさんの必要な仕事があります。

これらを実施していくにはとてもお金がかかりますし、市民の皆さんや会社から集めた税金には限りがありますから、上手にお金を使っていくことがとても大事になります。

自分たちの住んでいるまちをより豊かで住みよくするために、使えるお金を、どんな仕事にどれだけ使うか自分たちで決めて、実行していくこと、これを地方自治と言います。

とはいっても、裾野市民全員が集まって話し合って決めることは難しいので、市民の中から代表者を選んで、市民に代わって話し合いをする仕組みになっています。

この代表者が、市長市議会議員です。
市長も、市議会議員も、どちらも裾野市民の選挙で選ばれます。

では、この2つの代表者はそれぞれどんな役割なのか説明します。

市長の役割ですが、市長は市の仕事の計画や、市の予算、お金の使い方ですね。これを市議会へ提案したり、市の条例(裾野市独自のルールのこと)ですが、これを市議会に提案します。

市議会の役割は、市長の提案した計画を実施してよいのか、お金の使い道はそれでよいのか、条例案は市の課題の解決に合っているのかを話し合い、決定します。

市長は、議会で決定された仕事を実際に行い、そのためにお金を使います。また、条例の効力を市民に向けてスタートさせます。

市議会は決定した仕事を市長がしっかり行ったのか、お金の使い方はどうだったのかをチェックします。

このような役割から、地方自治の仕組みにおいて、市長は執行機関議会は議決機関と呼ばれます。

図を使って市長と市議会との関係について解説する原課長

ーーでは、実際に議会ではどんなことが話し合われているのでしょうか?どんな仕組みか教えてください。

市長は、仕事の計画やお金の使い方、条例を議会に提案したいので、市議会議員に集まってもらいます。

議会には、定期的に集まってもらう定例会と、必要なときに集まってもらう臨時会があります。
定例会は、年に4回、2月、6月、9月、12月に招集されます。

議会の会議、話し合う集まりのことですけれども、本会議委員会に分かれます。

本会議は、市議会議員全員で集まって、話し合う、全体会議です。
委員会は、市の仕事を種類ごとにグループに分けて、少人数で詳しく調べたり、話し合ったりするグループ会議です。

議会の話し合いの流れですが、最初に、本会議(全体会議)で、市長が市の仕事の計画やお金の使い方、条例案などを提案し、説明を行います。
ちなみに、これらを市長が議会へ提案するものを議案といいます。

委員会(グループ会議)では、この議案について詳しく調べたり、話し合ったりします。
こののち、本会議で、委員会が話し合った内容を議員全員に報告します。

議員は賛成又は反対の立場で意見を述べ合い、議会として賛成か反対かを多数決により決定します。

議会で賛成の決定がされると、市長は、提案した計画を実行し、お金を使うことができるようになり、また、条例の効力を市民に向けてスタートさせることができるようになります。

ーー議会の運営で、原課長の所属である総務課の役割はどのようなものですか?

総務課は、議会へ提案する議案を提案書として作る役割をしています。

市にはたくさんの種類の仕事があり、市長はこれを最も効果的に市民に提供できるように部署を振り分けて仕事をしています。

市長が提案する議案は、仕事を分担する部署においてその仕事を熟知する職員を中心に市民の生活をより豊かなものにするために、十分に検討してから提案されますので、そのことを議会に十分理解してもらえるようにすることがとても重要です。

そのためには、市長の提案する議案をしっかりと説明できることが大事です。これを担当部署と一緒に準備することが総務課の大きな役割です。

総務課の皆さん

ーー議会の運営について 総務課長として心掛けていることはありますか。

議案を提案書として準備するうえで、心掛けていることは2つあります。

1つ目は、議会、市議会議員の後ろには、たくさんの、そしていろんな立場の裾野市民がいるのだと思って議案の準備をすることです。

提案する議案には、税や保険料などのように多くの市民に影響があるものもあれば、福祉事業などは対象者は少ないけれどもとても大切なものもあります。

提案する議案が、市民の生活をより豊かにする、とても大切なものであることを、直接影響を受けない市民にも「なるほど」と理解してもらえるような視点をもって、議会、市議会議員への説明に向けた準備をしていきたいと思っています。

2つ目は、議案の説明に臨む部署と一緒に十分な準備して、議会へ送り出すことです。

市長が提案する議案は、その仕事を熟知し窓口など第一線で活躍する職員を中心に、市民の生活をより豊かにするよう十分検討されていますが、一方で、その議案に直接影響を受けなかったり、その仕事をもともと知らなかったり、といった立場からの視点はやはり持ちにくいところです。

十分検討した内容を市民にしっかりと伝えられるよう、様々な視点で議案を見たときや俯瞰してみたとき、過去の実績や周辺と比較してみたときなど、いろんな立場の市民からの疑問に答えらえる想定の準備を一緒にして、議会へ送り出したいと思っています。

ーーとても分かりやすい説明、ありがとうございました。


インタビューに際し、原課長が準備してくださった説明原稿

原課長はこのインタビューをお願いしてから、何度も説明のシナリオや質問事項の確認をして準備してくれました。非常にまじめに、しっかり対応する原課長の人柄が今回のインタビューに表れています。

では、議決機関側である市議会を代表して、中村議長に伺います。


中村議長

ーー中村議長よろしくお願いします。まずは皆さん知っていることかもしれませんが自己紹介をお願いします。

現在市議会議員3期目となり、議長に就任して1年と4カ月がたちました。

議員信条として、市民のための議会運営を貫きたい、と思っています。

議長になってからすごく力を入れているのは、市民との意見交換の場づくりですね。
フランクに市民と議員が意見交換できる環境を議会主導で作りたくて進めています。

ーー議長が考える議会の役割、責務とはどのようなものだとお考えですか

ひとつしかないですよ、それは市民の声・想いを政策に反映する!
これに尽きます!

ーー議長が議会運営で重点を置いていることはありますか

やっぱり世代を超えていろんな方々と話す機会を作るということにはすごく力を入れたいと思っていますね。

議会という場は、現実にはその場に居なくとも「市民が集って市政運営について話し合っている場」だと思うんです。

議員は市民全員に顔を知ってもらえるぐらいに、「私、議員です」って言って自らみんなに接して行って、想いを汲み上げて廻ってもらいたい。
議会で議員が発する声の源として、そこは傾注したいところです。

それから一度議会で決定したものって、将来にわたって暮らしや仕組みに影響を与えるので、何かが決まろうとするときには「今それがいいと思うから」とか「その方が楽だから」というような感覚に頼るような感じで決めたり改革したりはしてほしくない

本当に将来まで考えて、陽・陰の双方をみんなで考え見極めて、物事を決めてほしいと思っています。

議会運営について想いを話す中村議長

ーー今回、議会を noteで取り上げたいと思ったのは、議会の報告を広報紙で掲載する補正や議案について、どうしたら市民の皆さんに伝わるのか。
きちんと深掘りする機会があってもいいのではないか、と考えたからです。
特に今回の議案の一つが継続審査になったことに私自身の、なんでだろうという気持ちがあったからです。
それから、もっと傍聴に来てもらう、傍聴することの意義のようなことを感じます。
よく言われますが身近な議会であってほしい。
一部の人のための議会ではなく、市民のための議会だと思っているので。

議会を「身近なもの」なんだと捉える感覚じゃなく、「自分も議会の一員なんだ、市民一人一人が議会の一員なんだ」って思えるようになって欲しいなあ。

「議員は使ってなんぼ」だって僕言っちゃうんだけど、議員側も「使われてこそ価値がある」といわれるよう活動を見せていく雰囲気になると良いですね。

市民一人ひとりが議会の一員なんですから、そういう目線で、市民の代表の議員を介しますが、全員で物事を決めている感じ。
当たり前に身近に寄り添った関係でなくてはならないと思います。

(継続審査となったことについて)

条例は市民の生活の中に一定のルールを課す、つまり一部制限を設ける仕組みですね。作らなくて良いなら自由が一番良い。

だから議会で条例を定める、改正するという時に、提案に説明の不足や暖味さがあった場合には、それをそのままにして議案を通すわけにはいかないんですね

市民の皆さんの暮らしの中に大きな支援の差ができるような不公平感というのは極力ない状態にすることが必要です。

今回の継続審査となった案件は、その確認が必要だったためでした。
こういうことを考えて決定しているのが議会です。

ーー最後に議長が考える議会の将来展望のご意見を教えてください

同じ話になってしまいますが、住民が困り事や相談事、問い合わせをどんどん議会に寄せてくれて、その時議員が動かざるを得ないような仕組みとなるように、今の議員が自ら作っていく。政策討論会という会議があるのですが、その仕組みが市民の声によって動くようにしたい。

多くの議会が議会報告会というものを年に1~2回開催しているのですが、限定された時に、集まれる人だけに対して議会活動を報告して、その時の意見だけを尊重するといったやり方では、何も変わらないと市民から言われるのは当然だと思うんです。

日頃汲み上げている意見を共有し、政策に反映するために話し合うという仕組みを作っていきたい。

議員は使われてこそ価値があるっていうのを、実際の仕組みに落として将来に繋げたいというのが、僕が思ってることです。
このような仕組みを作ると議員の仕事量ってすごく増えるような気がするんですけれども、それが市民の代表といわれる議員の役目でしょう。

それから議会で議会だよりというものを発行していますが、市の広報すそのは決まったことをすぐにお知らせしてくださっています。
議会は、その過程や特に議論となった点なんかを伝えられるようになるともっと充実するのだろうと思っています。議会活動の話題や特集なんかも良いかもしれません。

いずれにしても必要とされる議会、頼りになる議会といわれるよう頑張らなければいけない、そんなふうに考えます。

今回はこのような議会の情報を発言する機会を与えて下さり、ありがとうございました。


特集・ロケのまち・すその

県東部はフィルムコミッション事業(ロケの誘致、支援)が盛んな地域です。

裾野市は後発ですが、ロケ実績は増加傾向にあります。
その目的は、市の認知度向上やイメージアップ、地域経済効果の拡大などがあります。
近隣市町にはない裾野市の強い取り組みは、ロケ支援作品を活用したまちのにぎわいづくりです。

NHK連続テレビ小説「らんまん」最終回では、あの感動のラストシーンの撮影が行われました。

4月19日全国劇場公開となる映画『陰陽師』(山﨑賢人さん主演)の先行上映会をなんと原作者である夢枕獏さんと佐藤嗣麻子監督のトークショー付きで開催します!

映画館のない裾野市で、県内最速となる先行上映会ができるのはロケをお手伝いした由縁ですが、実はこの交渉は撮影が行われた約2年前から始まっています。

映像を通して、自分のまちの魅力を再発見いただき、また、人気作家である夢枕獏さん、SF映画の巨匠 佐藤嗣麻子監督のプロフェッショナルの話を身近でお聞きいただいて明日への活力に繋げていただけたらと企画しています。

多くの市民の皆さんに参加していただけたら嬉しいです。

特集・すそのん誕生会2024

平成26年に誕生した、市公式マスコットキャラクター「すそのん」も、今年で10年目

これまでの応援に感謝を込めて、これからも末永く愛されるキャラキターであるよう企画された誕生会イベントのお知らせを特集しました。

コロナ禍、規模を縮小していた「すそのん誕生会」。
新型コロナウイルス感染症の5類移行後は初開催となります。

担当は、来場してくださる皆さんに楽しんでいただける企画をと奮闘中!
ファンミーティングは、おともだち協定を結ぶ、市内須山でミルキーやホームパイを製造している不二家のペコちゃんと市内下和田にサッカー場を有する時之栖の妖精とっきぃが遊びに来てくれます。

ペコちゃんからは嬉しいプレゼントがあるかも!?
市役所1階市民ホールでは、すそのんグッズが集結する「すそのんマルシェ」を初開催します。(雨天が予想されるため規模が縮小されます)

すそのんの仕事は市のPR隊長で、市の魅力を市内外に向けて発信することです。時折、広報すそのでも、すそのんが登場して、市民の皆さんのあまり知らない市の魅力を紹介できたらと考えています。

もっと伝えたい!記事

◼️はたちの会

2月号では1月7日(日)に開催されたはたちの会での様々なはたちの皆さんの表情を紹介しました。
久しぶりに会う友人たちとの微笑ましい写真が並びます。
広報特派員も活躍して撮影しました。

◼️すそのびと

地域おこし協力隊に萩原歩美さんが就任しました。
これからスポーツ合宿誘致やイベントの企画などに従事します。
「はぎちゃん」って呼んでほしいとのこと。
はぎちゃんのインタビューはまた後日詳しく紹介します。
お楽しみに~。

これからも伝える伝わる広報を目指して、裾野のファンを増やしたいです。


この記事を書いた人

■眞田さおり
情報発信課で広報を担当しています。裾野の魅力を心を込めて伝えます。裾野のファンを増やしたい!

■今野功一
情報発信課で広報を担当しています。
裾野市の歴史を残す1枚を撮るために、シャッターを切りまくります。


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